「窓・ドア・ファサードの世界的見本市」視察レポート2024

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FENSTERBAU FRONTALE 2024

「窓・ドア・ファサードの世界的見本市」視察レポート2024

ドイツ・ニュルンベルクで開催された世界最大級の専門展示会を視察し、VEKA社展示、樹脂窓メーカー各社の動向、施工・金具・周辺部材まで、開口部技術の現在地を整理しました。

FENSTERBAU FRONTALE 2024で最も強く感じたのは、欧州の開口部市場が「高断熱・高気密」だけを競う段階から、サステナビリティ、施工効率、スマートホーム、デザイン性まで含めた総合提案の段階へ進んでいるということです。

2024年3月、SLK Japanはドイツ・ニュルンベルクで開催されたFENSTERBAU FRONTALE 2024を視察しました。同展示会は、窓、ドア、ファサードに関する世界最大級の専門展示会です。会場では、プロファイル、ガラス、金具、製作機械、施工部材など、開口部に関わる多様な分野の最新技術が紹介されていました。

本レポートでは、展示会全体の技術トレンド、VEKA社の展示内容、樹脂窓メーカー各社のサステナビリティへの取り組み、施工・金具・周辺部材の動向を横断して紹介します。単なる展示会報告ではなく、日本で高性能樹脂窓を検討する設計者、施工者、建築主にとって何が示唆になるのかを中心に整理します。

FENSTERBAU FRONTALE 2024 視察レポートのメインビジュアル
FENSTERBAU FRONTALE 2024は、窓、ドア、ファサード領域の最新動向を確認できる国際的な専門展示会です。
開催地ドイツ
ニュルンベルク
出展社44か国
973社
来場者112か国
約75,000人
開催周期2年に1度

展示会全体で見えた4つのテーマ

今回の展示会では、製品単体の性能だけではなく、建築市場全体の課題に応える提案が前面に出ていました。特に多くの出展企業で確認できたテーマは、次の4点です。

サステナビリティ

再生樹脂の活用、材料循環、製品ライフサイクルを含めた価値提案が大きな存在感を持っていました。

異常気象への対応

高温多湿、強風、豪雨など、より厳しい外部環境を前提にした開口部性能が重視されています。

デジタル活用

製作、施工、管理、スマートホームまで、開口部をデジタルと接続する動きが広がっています。

技術者不足への対応

施工効率を高める部材、機械、システム提案が多く、現場負担の軽減が重要テーマになっていました。

VEKAブースで確認した、トップメーカーとしての姿勢

会場で特に印象的だったのは、VEKA社の展示です。VEKAは1969年創業のPVC-Uプロファイルメーカーで、樹脂サッシ形材の押出メーカーとして世界最大手クラスの企業です。展示会場では「VEKA & PARTNERS: A strong team」というメッセージが掲げられ、製品だけでなくパートナーシップを重視する姿勢が明確に示されていました。

SLK Japanは日本でVEKA社製PVC-Uプロファイルを用いた高性能樹脂窓を提案する立場にあります。VEKAブースの規模、展示構成、来場者への対応からは、同社が単なる素材メーカーではなく、建築市場全体に対して長期的な価値を提供しようとしていることが伝わりました。

FENSTERBAU FRONTALE 2024のVEKA展示ブース
VEKAブースでは、プロファイル、表面仕上げ、大開口システム、IoT関連技術まで幅広い提案が紹介されていました。

VEKA SPECTRAL、VEKAFAST、VEKAMOTION

VEKA SPECTRALは、特殊なラミネーションによるマットな質感と豊富なカラーバリエーションを特徴とする表面仕上げです。樹脂窓は性能面の印象が強い建材ですが、欧州では外観意匠の一部として窓フレームの質感や色を選ぶ考え方が浸透しています。

施工効率を高める新製品VEKAFAST、大開口向けシステムVEKAMOTION、スマートホームやIoT領域を担うTEXINOの展示も、今後の日本市場に示唆を与える内容でした。高性能窓の普及には、製品性能だけでなく、施工性、操作性、暮らし方との接続まで含めた提案が必要です。

サステナビリティは、もはや付加価値ではなく前提条件

VEKA社は1990年代から樹脂サッシのリサイクルに取り組んできた企業です。今回の展示でも「future-friendly」という価値観とともに、再生樹脂を活用したプロファイルや材料循環に関する展示が印象的でした。

同様の傾向は、他の大手樹脂窓メーカーにも共通していました。deceuninck、GEALAN、Kommerling、Rehau、Schücoなどの展示でも、自社のサステナビリティ施策や再生樹脂の利用が大きく扱われており、欧州市場では断熱性能に加えて、製品ライフサイクル全体の説明責任が重視されていることが分かります。

FENSTERBAU FRONTALE 2024のサステナビリティ展示
欧州市場では、材料循環や再生樹脂の利用を含めた説明が、製品価値の中核に入りつつあります。

窓本体だけでは、高性能な開口部は完成しない

金具・ハードウェアの展示では、意匠性、防犯性能、スマートホームへの対応が目立ちました。窓の性能はプロファイルやガラスだけで決まるものではありません。ハンドル、ロック、可動部品、調整機構まで含めた総合設計が、日常の使いやすさと長期的な信頼性を支えます。

施工用機械や製作用自動機械の展示も重要でした。複層ガラスやトリプルガラス、大開口窓の普及により、窓は高性能化すると同時に重量化しています。欧州でも職人不足や高齢化は課題であり、施工時の負担を軽減するための機械や治具が注目を集めていました。

FENSTERBAU FRONTALE 2024の施工用機械展示
高性能窓の普及には、現場で安全かつ確実に施工できる仕組みづくりも欠かせません。

施工テープや緩衝材まで含めて、窓の性能を考える

高断熱・高気密の開口部を実現するには、窓本体の性能だけでなく、施工時に防水性や気密性を担保する部材が必要です。海外市場では、施工テープや衝撃吸収用の緩衝材が普及しており、快適性能の向上だけでなく、施工の確実性と効率向上にも寄与しています。

日本でも高性能樹脂窓の採用が増えるほど、製品選定と同じくらい、納まり、施工方法、周辺部材の選定が重要になります。窓は「製品として届いた時点」ではなく、「建物に正しく施工された時点」で初めて性能を発揮します。

FENSTERBAU FRONTALE 2024の施工テープ・緩衝材展示
防水性、気密性、施工効率を支える周辺部材も、高性能窓を建物に定着させるための重要な要素です。

日本市場への示唆

今回の視察で改めて確認できたのは、世界の開口部市場が高断熱・高気密性能のさらに先へ進んでいるということです。大手メーカー各社は、熱貫流率などの基本性能について高い水準に達したうえで、サステナビリティ、スマートホーム、施工効率、デザイン自由度を次の競争軸にしています。

日本では、2025年の新築住宅省エネ適合判定義務化、2030年の新築ZEH水準達成目標など、建築物の省エネ性能向上がより重要になります。開口部は、空調負荷、室内快適性、結露、遮音、外観、長期維持に大きく関わる部位です。高性能樹脂窓の普及は、脱炭素だけでなく、住まいと建築の質を高めるための重要な手段になります。

SLK Japanは、VEKA社製PVC-Uプロファイルを用いた高性能樹脂窓を通じて、日本の気候や建築計画に適した開口部性能の向上に取り組みます。次回のFENSTERBAU FRONTALEでは、日本市場での取り組みをより具体的な成果として報告できるよう、製品提案と情報発信を続けていきます。

本記事は、FENSTERBAU FRONTALE 2024の現地視察で確認した内容をもとに、SLK Japanの視点で高性能樹脂窓と開口部技術の動向を整理したものです。掲載内容は視察時点の情報に基づきます。